ベストアルバムをリリースしたASIAN KUNG -FU GENERATION。
(略して、アジカン、一部ではアジフー)

「好きなミュージシャンは?」

と聞かれたら、僕は五つ目までにはその名を出すだろう。
お初は、仲間内の会話で誰かがフェスに行くらしきことを聞いた誰かが、

「アジカン(が出るのは)羨ましい」

と誰かに言っていたのを聞いたことだ。

その頃、若者文化についていけてなかったので、名前は知っていてもどんな音楽をつくっているか分からなかった。今時の若い者がどんな音楽を好むのかという好奇心と、なんとか若者でありたいと願う必死さから、初めて聞いたアジカンの音楽がアジカンとして初のオリコンシングル1位を獲得した「ワールドアパート」だった。

はっきり言って、性に合わなかった。歌もそれほど上手くないし、歌詞は何が言いたいのかとりづらいし。いろんな曖昧さが若者向きな感じがして、若者でなくてもいいかと挫折しかけた。

一方でその音楽に引っかかりを意識する部分もどこかにあって、その本能を信じてみることにした。若者の感性に負けたくないという心理も間違いなく働いていたと思う。とにかく片っ端からアルバムを借りた。

聞き進めていくと、その引っかかりが摩擦を起こして次第に熱を帯びていくのを感じた。曲はロックしているし、前奏を大切にしているからだろうか、新しく感じてキャッチーだった。そして上手くないと即断した歌も、シャウトするときの微妙にかすれて震える特徴に気づき、とてもセクシーで真似できないと思った。

そして何より、詞の意味の曖昧さ。確実にある想いを乗っけていると思うのだが、その曖昧さから聴く側の受け取り方はその分自由度を増している。一つの曲をとっても、解釈の仕方は人により異なるだろう。

そんなわけで、はまったのだった。

個人的に好きな曲とポイントを並べると、

「Re:Re」「フラッシュバック」「自閉探索」
は前奏

「転がる石、君に朝が降る」「ブラックアウト」「ライカ」
は歌詞

「リライト」「遥か彼方」「未来の破片」「ムスタング」
はシャウト

「アンダースランド」「君の街まで」
はノリ

「ブルートレイン」「橙」
は心の響き具合

といった具合だろうか。PVは「君の街まで」が面白い。やはり意味不明だけれど。

ベストアルバムは初めての人にとっては、いろいろ意見はあるだろうけれど導入としてはかなり良い選曲だろう。ほかに一つ挙げるとすれば『ソルファ』は入りやすいと思う。

ただひとつ懸念がある。ボーカルの後藤さん、声出なくなっているのではないかということ。最近、シャウト系の曲が少ないから。というか、初期のシャウトができてない。ライブとかは見たことないから分からないけれど。

それでも、第一印象が必ずしも全てでないと教えてくれたアジカン。これからも聴き続けると思う。


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