DVD アミューズソフトエンタテインメント 2008/01/25 ¥4,935

 原作を読んでいないので比較としての感想を書けないのが残念だが、なんとなく映画を見た印象で言えば、伊坂幸太郎作品が元ネタになっているという感じを受けなかった。だいたい小説としての伊坂さんの作品は、ラストに全ての種明かしがされて物語が収束していくといった特徴があるような気がするのだが、それをこの映画ではいくつかの伏線を張って物語に謎と厚みを与えているといった仕掛けが施してあるといった感じで、ラストがスッとするようなものではなかった。きっと原作を読んで映画を見た人は、そのギャップに違和感を覚えるか別物として捉えて楽しむかのどちらかになっていたのではないかと思う。

 映画の感想を言えば、まず劇中歌のボブ・ディラン「風に吹かれて」に代表されるように、ゆったりとした流れの作品だと感じた。特に大きな驚きや展開があったようにも感じなかったが、観ていて飽きは来なかったように思う。その理由が伏線。いくつかのさりげない場面ややりとりがポイントとなって、話が進むうちにその効果を発揮している。そういう細かいところを観るのが好きな人にとっては面白い映画なのではないかと思った。

 ただ、僕にとって問題なのは、これから原作を読むつもりなのに先に映画の方を見てしまったということだ。はっきりいってネタばれした状態でミステリーを読むのがいいことなのか。そしてそんな状況でも楽しめるのか。多少悩むところだが、その顛末は後日報告することになると思う。

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