神様からひと言 (光文社文庫)
2008年2月12日 読書
ISBN:4334738427 文庫 荻原 浩 光文社 2005/03/10 ¥720
某古本屋で荻原(「おぎわら」であって「はぎわら」ではない)浩さんの本としては唯一100円で売っていた本。今までに少し読んだことがあった作家さんだったので、長らく放置されていた中から掘り出してトライしてみた。
裏表紙ではサラリーマンの奮闘記的な紹介のされ方だったので、ちょっととっかかりにくかったのだけれど、読み始めたら意外性の連続で軽く引き込まれてしまった。これで100円なら安すぎると正直申し訳なく思った。
そもそも荻原さんの作品はどれもが意外性に満ちている。まずテーマが多様。ユーモア的な軽い感じのものからシリアス、ハードボイルド、ヒューマンドラマなどなど書いているジャンルが一定しないほど、多彩な小説世界を描いている気がする。しかも文章が読みやすい。癖がないというかなんというか、僕にとっては違和感がほとんど生じない文章を書いてくれる。そして、ウィットに富んだ掛け合いがアクセントになっているから、文章にテンポがある。
久しぶりに長編小説を読んですっとした感じになった。多少展開に強引さを感じさせるところもあるにはあったが、それを打ち消すだけの小ネタを備えているところが書き手の深みを表しているのだろう。デビューが遅いにもかかわらず、作家としての完成度が高いのも僕の中では好感度が高い。機会があったらまた別作品も読みたいと思う。
某古本屋で荻原(「おぎわら」であって「はぎわら」ではない)浩さんの本としては唯一100円で売っていた本。今までに少し読んだことがあった作家さんだったので、長らく放置されていた中から掘り出してトライしてみた。
裏表紙ではサラリーマンの奮闘記的な紹介のされ方だったので、ちょっととっかかりにくかったのだけれど、読み始めたら意外性の連続で軽く引き込まれてしまった。これで100円なら安すぎると正直申し訳なく思った。
そもそも荻原さんの作品はどれもが意外性に満ちている。まずテーマが多様。ユーモア的な軽い感じのものからシリアス、ハードボイルド、ヒューマンドラマなどなど書いているジャンルが一定しないほど、多彩な小説世界を描いている気がする。しかも文章が読みやすい。癖がないというかなんというか、僕にとっては違和感がほとんど生じない文章を書いてくれる。そして、ウィットに富んだ掛け合いがアクセントになっているから、文章にテンポがある。
久しぶりに長編小説を読んですっとした感じになった。多少展開に強引さを感じさせるところもあるにはあったが、それを打ち消すだけの小ネタを備えているところが書き手の深みを表しているのだろう。デビューが遅いにもかかわらず、作家としての完成度が高いのも僕の中では好感度が高い。機会があったらまた別作品も読みたいと思う。
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