黄色い目の魚 (新潮文庫)
2008年1月17日 読書
ISBN:4101237344 文庫 佐藤 多佳子 新潮社 2005/10 ¥660
前々から読みたいと思っていた本屋大賞受賞作家さんの作品。
僕は基本的に作品に対する偏見というか先入観というかをもたないようにするため、あまり作品に対する下調べはせずに読書に入るようにしている。もっとも裏表紙の作品紹介ぐらいは目を通すが。
ということで、どういう風に書かれているかも知らないまま読んでみたのだが、なんとなく自分は固めの文体の方が好みなのだろうか、当初は十代の主人公が一人称で語るその文体にどうも馴染めなかった。なんとなく『ライ麦畑でつかまえて』の訳本を読んだ時のような違和感があった。
でも、読み進めていくうちに輪郭がはっきりした登場人物の描き方や、不安定でどっちつかずな感情の表現方法に考えさせられる所があって、ページをめくるごとに小説の世界観に引き込まれていった。今となってはもう戻れない世界への郷愁とでもいうべきか、もう自分が主人公となって立つことのできない時代を思って多少空しくもなった。
結果、読んで思ったこととしては、この作品はあとがきにあるように十代のうちに読むべき本であると思う。まあ、その時代を過ぎた人が読んでも十分に楽しめるとは思うが。今まであまり読んだことはなかったが、「青春小説」というのはこういうものを言うのではないかな、と思わされる一作だった。
前々から読みたいと思っていた本屋大賞受賞作家さんの作品。
僕は基本的に作品に対する偏見というか先入観というかをもたないようにするため、あまり作品に対する下調べはせずに読書に入るようにしている。もっとも裏表紙の作品紹介ぐらいは目を通すが。
ということで、どういう風に書かれているかも知らないまま読んでみたのだが、なんとなく自分は固めの文体の方が好みなのだろうか、当初は十代の主人公が一人称で語るその文体にどうも馴染めなかった。なんとなく『ライ麦畑でつかまえて』の訳本を読んだ時のような違和感があった。
でも、読み進めていくうちに輪郭がはっきりした登場人物の描き方や、不安定でどっちつかずな感情の表現方法に考えさせられる所があって、ページをめくるごとに小説の世界観に引き込まれていった。今となってはもう戻れない世界への郷愁とでもいうべきか、もう自分が主人公となって立つことのできない時代を思って多少空しくもなった。
結果、読んで思ったこととしては、この作品はあとがきにあるように十代のうちに読むべき本であると思う。まあ、その時代を過ぎた人が読んでも十分に楽しめるとは思うが。今まであまり読んだことはなかったが、「青春小説」というのはこういうものを言うのではないかな、と思わされる一作だった。
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