10月27日付 日経新聞の報道「冨田が4年連続6度目V、体操の全日本選手権」へのコメント:

 アテネ五輪の時の感動は忘れられません。眠い眼をこすりながら生で聞いた
「伸身の新月面が描く放物線は栄光への架け橋だ」
のアナウンスには、身が震えたのを今でも新鮮に思い出します。本当に日本人でいてよかったと思えたのがあの瞬間でした。

 今となってはそれほどメジャーではなくなった体操競技に興味を持つきっかけとなったのは週間少年サンデーに連載されていた「ガンバ! Fly high」という漫画を通してでした。内容は運動音痴だった主人公の少年が体操と出会い、才能を開花させていくことで、オリンピックのメダルを獲得するといったサクセスストーリーだったと思います。原作が森末慎二さんで、さすが経験者というべきか、一つ一つの技の迫力が真に迫っていました。子供心に体操の技の一つ一つが新鮮でかっこいいものに思えていました。

 それでも体操という競技を見る機会は少なく、日本の体操はやはり世界レベルではないのかと心の底で思っていました。

 しかし、あのアテネ五輪です。僕の中の体操熱は再び一時的にヒートアップしました。「体操日本の復活」というキャッチフレーズも僕の心を捉えました。一つ一つの演技は短時間で地味ではあるけれど、そこに到達するまでの努力が目に見えるような選手の爆発力に完全に魅了されてしまいました。

 特に富田、水鳥の両選手の安定感と躍動感に溢れた演技は美しいの一言に尽きると思います。個人総合も競うオールラウンダーの二人は、体力的に厳しいながらも、信頼にこたえて要所は決めてくれるのが頼もしい限りです。

 ただ、2006年の採点方法の変更は、個人的に日本人選手シフトのような気がしてなりません。「なぜこのタイミングで?」と思ってしまいます(実際には前々から決まっていたんだろうけれど)。スキーのジャンプ競技でもそうでしたが、日本人が強くなるとなぜかルール変更が行われているような、そして、そうなると国際舞台で日本人が勝てなくなるような気がします。

 まあ、何はともあれ、今は日本体操界で黄金期を迎えているのは間違いないと思います。今以上に国際競争力を高めて、北京五輪ではアテネの感動を再び味合わせてもらえることを願っています。

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