08月22日付 朝日新聞の報道「佐賀北に深紅の大優勝旗 高校野球、15日間の熱戦に幕」へのコメント:

 久々にまともに野球を見ていた夏の甲子園。やはり高校野球はいいなと思った。試合の一回性とでも言うべきか、対戦相手や試合展開など、勝負そのものがその時限りという特殊な限定された空間の中、繰り広げられる試合は見るものを惹きつける何かがある気がする。

 今日の決勝戦に関して言えば、前評判は圧倒的に広陵優位だったろう。一回戦の駒大苫小牧をはじめ、準決勝の選抜優勝校常葉菊川などを実力でねじ伏せてきたチーム力にはかなり完成された強さを感じさせられた。一方佐賀北は、延長の末という泥試合的なものが多く、勝負強さは感じられたものの、実力以外の要素で勝ち進んできた感があり、いまいち安定感に欠けるところがあった。

 実際今日も、先制し、毎回のように走者を出して優勢的に試合を運んでいたのは広陵で、8回までは完全に抑えられていた佐賀北には、見てる側として判官びいきをしたくなるような悲壮感が漂う展開になった。僕も佐賀北を応援していたが、それは勝つのはきっと広陵だろうという憶測からだった。しかし、唯一佐賀北が形を作った8回にドラマはあった。突如乱れた広陵のエース野村君が、押し出しのフォアボールを出したことで糸が切れたのか、次の3番副島君に投げたスライダーの甘く入ったボールをホームランに仕留められた。それまでは、アウトサイドに切れていくスライダーで二桁の三振の山を築いていった野村だけに、8回の投球は唯一崩れてしまった悔やまれる内容だった。

 ただ印象に残ったのは、試合後の野村君の表情だった。負けたことで悔しさはあったろうが、気丈にも涙は見せずに前を向いていた。この夏を本当に楽しみ、一塊の後悔を胸に秘めた男の顔は、見ていて感慨深いものがあった。

 高校野球は本当に面白い。プロにはない面白さがある。来年もこの思いを胸にチェックしていきたいと心新たに思わされた。

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